UTC・JST
Nuvola apps clock.png7月18日(木) 00:16 (UTC)
7月18日(木) 09:16 (JST)
明石天文科学館、親時計

日本標準時(にほんひょうじゅんじ、英語: Japan Standard Time略語JST)は、国立研究開発法人情報通信研究機構原子時計で生成・供給される協定世界時(UTC)を9時間東経135度分の時差)進めた時刻(すなわちUTC+9)をもって、日本における標準時としたものである[1][2][3]。同機構が決定するUTCは“UTC(NICT)”と称され[4]国際度量衡局が決定する協定世界時 (UTC) との差が±10ナノ秒以内を目標として調整し管理されている[5]。一般的には日本時間とも呼ばれる。 情報通信研究機構が通報する標準時は、日本全国で日本放送協会 (NHK) などの放送局NTT (117) の時報に用いられている[6][7]

一方、中央標準時(ちゅうおうひょうじゅんじ、英語: Japan Central Standard Time、略語:JCST[8][9][10])は、大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台が決定し、現実信号として示す時刻で[11]水沢VLBI観測所の天文保時室でセシウム原子時計が運転されている[12]。なお、国立天文台が編纂する「理科年表」では中央標準時について、中央標準時=協定世界時+9h としている[13]

日本標準時 (JST) と協定世界時 (UTC) との差を示す場合などには、「12:31:40(UTC+0900)」(日本標準時で123140の場合)などと表記される。

標準時と中央標準時

日本における「標準時」に関する法令は十分に整理されておらず、法令上「標準時」と「中央標準時」という名称は現れるが、「日本標準時」という名称は現れない[14]

日本国の法令では、標準時の定義について「東経135度子午線の時」をもって日本における一般の標準時と定め[15]、その標準時を中央標準時と称する[16]こと以外に具体的な定めはない。

ただし、標準電波の発射及び標準時の通報に関しては、総務省情報通信国際戦略局技術政策課)がその事務をつかさどる[17][18](この所掌事務は、旧電気通信省[19]から旧電波監理委員会[20]、旧郵政省[21]を経て総務省に引き継がれている)。 さらに、郵政大臣総務大臣の前身)が法令に基づいて発した郵政省告示により[22][23]、標準電波で通報される標準時は協定世界時を9時間進めた時刻とされる[3](この定めは、1971年(昭和46年)の郵政省告示(1972年(昭和47年)1月1日施行)[24]からである)。 なお、独立行政法人情報通信研究機構は法令と告示に基づいて標準電波を発射し、及び標準時を通報する業務を行う[25]

また、中央標準時の決定及び現示に関しては、大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台がその事務を目的[26]の一部として設置[27]されている(この設置目的は、1955年(昭和30年)に改正された旧東京大学東京天文台の目的[28]から引き継がれている[29])。したがって中央標準時は、法令に基づいて国立天文台が中央標準時として決定及び現示する時刻と言える。

情報通信研究機構が通報する標準時と、国立天文台が決定及び現示する中央標準時との関係については、どちらの機関も国際原子時の作成に寄与する原子時計を運転し[30][31][5]、それらの時計で決定する協定世界時 (UTC) + 9時間をそれぞれ標準時[2]、中央標準時[13][9]としているが、いかに不確かさが小さい(正確度と精度に優れた)時計であっても、同一の時計ではないので完全に時刻が一致することはない。これについて、情報通信研究機構を所管する総務省と国立天文台を所管する文部科学省は共同告示により、情報通信研究機構が通報する標準時については国立天文台の決定する中央標準時により、その偏差を算出し、これを情報通信研究機構において公表するとしている[32]

なお、過去の関係やその経緯については、#標準時の通報の歴史 を参照。

夏時間(サマータイム)

2018年現在、法令に基づき、JSTに1時間を加えたタイムゾーンを採用する夏時間(サマータイム)は実施されていない。ただし、過去には、1948年から1951年、5月(1949年のみ4月)第1土曜日から9月第2土曜日までの間、夏時刻法に基づきサマータイムが施行されていた。なお、2004年 - 2006年(2006年で終了)の7月 - 8月に北海道札幌市で試行されたいわゆる「北海道サマータイム」は、標準時を変えずに始業・終業時刻を1時間早める試みで、通常の意味での夏時間ではない。

JSTと定義が同じ標準時

以下の標準時は、日本標準時 (JST) と同じく協定世界時 (UTC) を9時間進めた標準時である。ただし厳密には、基準とする原子時計が異なるため、体感できないほど僅かな不確かさ誤差)がある。