鋏角亜門
Tachypleus tridentatus-3.jpg
カブトガニ(上)とツユグモ(下)

Micrommata virescens Luc Viatour.jpg

分類
: 動物Animalia
: 節足動物Arthropoda
亜門 : 鋏角亜門 Chelicerata
学名
Chelicerata
Heymons, 1901

鋏角亜門(きょうかくあもん、Chelicerata)は、節足動物門を大きく分けた亜門のひとつである。鋏角類(chelicerate)と総称され、クモサソリカブトガニなどを含む。

概要

鋏角亜門に含まれる節足動物は以下のような基本的体制の違いによって、それ以外の節足動物大顎類三葉虫類など)から区別できる。

  1. 体は前体Prosoma頭胸部)と後体Opisthosoma腹部)の2部のみからなる。
  2. 第1対の付属肢は鋏角である[1]。(大顎類三葉虫の場合は触角である)
  3. 前体の付属肢はほとんどが歩脚をなす。(大顎類の場合はほとんどが触角と顎をなす)
  4. サソリ(左列)とアメリカカブトガニ(右列)の前体付属肢比較図
    I:鋏角
    II:触肢
    III-VI:歩脚

    前体は先節と6つの体節からなり、それに応じて計6対の付属肢関節肢)をもつ。第1節は本群の特徴である1対の鋏角chelicerae)をもち、次の第2-6節は5対の歩脚型付属肢があり、そのうち最初の一対は触肢pedipalps)としてやや異なった構造へ特殊化した場合がある[1]。通常は全てが癒合して背面が1枚の背甲に覆われるが、第5と第6節が独自に分節した例も存在する[注釈 2][1]クモガタ類ウミグモ類の場合は単眼のみをもつが、カブトガニ類ウミサソリ類は単眼と複眼を両方備える。感覚や摂食の機能を補助する付属肢(およびその一部の構造体)をもつ例があるものの、大顎類に見当たる触角と真の顎は存在しない[注釈 3]

    この部分は「頭胸部」(cephathorax)とも呼ばれていたが、鋏角類の前体は1つの合体節(tagma)であり、頭部と胸部という2つの合体節の癒合を通じて由来するものではなく、そこに含まれた体節(第1-6体節)はほとんどが大顎類の頭部に相同である(第1-5体節)。従って、大顎類の顎として特殊化した付属肢は、鋏角類の場合では殆どが歩脚として用いられている(後述の対応関係も参照)[2]

    後体

    カブトガニ類の後体断面図と鰓脚の構造

    腹部」とも呼ばれる。体の第7体節から始め、最多は13節からなる(第19体節まで及ぶ)[1]サソリウミサソリのように、後体は更に中体mesosoma、前腹部)と終体metasoma、後腹部)として区別できる分類群もある。また、後端の3節が細短い尾部(pygidium)となり[注釈 4]、または後端に尾節telson)をもつ群もある。

    現生の鋏角類に限れば、後体の付属肢はほとんどが退化的であり、あっても歩脚状から飛び抜けた形態をもつ。カブトガニ類などの節口類の後体付属肢は鰭状の蓋板(operculum)であり、クモガタ類の書肺とそれを覆う板状構造・クモの糸疣・サソリの櫛状板・ウミサソリウデムシサソリモドキの生殖肢などの器官は、著しく特殊化した後体付属肢であると考えられる[1]

    特に注目されるのは、その第1節(第7体節)である。クモガタ類の場合、この体節は付属肢を欠き、一部の群ではくびれて腹柄となる。しかしカブトガニ類の場合、この体節は前体へ癒合し、1対の唇様肢(chilaria)という小さな付属肢を備える[1][3]ウミサソリ類もそれに似通って、癒合した付属肢と思われる1枚の「metastoma」を持っていた[1]ウミグモウェインベルギナは更なる極端な例であり、この体節は前体とほぼ同様な歩脚をもっていた[1]。特に前者は、この第7体節を胴部(および胸部)の一部と扱うことが一般的である[1][4]。これによって、第7体節の多くの形質は前体的であり、前体の一部と扱うべきではないかという提唱もある[1][3]

下位分類

2011年現在、11万種以上の現生鋏角類が記載される。百万種に及ぶ六脚類ど多様化していないが、節足動物の中で鋏角類は2番目に大きな亜門である。

Original: Original:

https://ja.wikipedia.org/wiki/鋏角亜門